草木染め 植物染料の煮出し方

みなさん こんにちは! 稲村一子です。

今回は 植物染料の煮出し方というテーマでお送りしたいと思います。

・生の植物と乾燥した植物

植物が死んで乾燥すると 植物自身が持っている分解酵素のため 含有成分が変化します。含有成分中の染料として利用したい成分が変化していなければ問題ありませんが そうでない場合は 必ず生の植物から抽出しなければなりません。染料としては乾燥した植物の方がはるかに扱いやすいため 一般には乾燥したものを使用し 生でないと染料成分がダメになる場合のみ 生の植物を使用します。

・植物の大きさ(キザミ方)

植物は小さくきざんだ方が色素の抽出が速く また完全です。 材 樹皮 根等は大きなままでは染料成分が溶け出しませんので できるだけ細かくします。細かくするほど染料成分はよく溶け出しますが 後で濾し分けるのが大変になりますので 木綿の袋や 植物煮出し液パック等を使うといいでしょう。

*温度 時間 水の量 回数

紅花のように熱で分解するものや 溶剤抽出の時以外は 煮沸して色素を抽出します。細かく砕いた植物では 30~60分の煮沸で十分で 長時間煮ているとタンニンや配糖体が不溶化してかえって良くありません。

植物に含まれる色素の量や溶解性により 水の量や煮出す回数は変わってきます。浸染では 細かく砕いた植物の場合 2回の煮出しで十分です。

次に草木染めのための植物染料の煮出し方は以下のステップで行うことが出来ます。

必要な材料

・自然素材(草木 樹皮 根 果実等)

・水

・鍋(耐熱性のもの)

・布や糸(染めたいもの)

・フィルター(不織布や濾し器)

・対応する媒染剤(必要に応じて)

手順

植物の準備

・草木を採取し 必要に応じて細かく切ったり 砕いたりします。

色を出しやすくするために 葉や 根 樹皮等の素材を事前に 処理しておくことが重要です。

水を準備

・鍋に水を入れ 煮立たせます。水の量は 染める素材の量に応じて調整してください。

煮出し

・準備した草木を鍋に入れ 弱火で煮出します。色が出るまで 約一時間以上煮続けると良いでしょう。

時々混ぜて 均等に煮出せるようにします。

染料を濾す

・煮出した後 鍋の中身を不織布や漉し器を使って濾し 液体を別の容器に移します。

これを二回繰り返すと良いでしょう。この液体が染料になります。

布や糸の下処理

・染める布や糸は あらかじめ洗っておきます。特に 油分や汚れが付いてない状態が理想です。

媒染(必要に応じて)

・特定の色を出すために媒染剤を使用する場合は この時点で媒染処理を行います。

媒染によって染料と繊維の結合が強まります。

染色

・濾した染料液の布や糸を入れ 中火でじっくりと煮ます。

染色する時間は 求める色合いによって調整してください。

水洗い

・染色が完了したら 布や糸を取り出して冷水で優しく洗います。この際 染料が流れ出ないように注意しましょう。

乾燥

・最後に 日陰で自然乾燥させます。直射日光を避けることが 色の退色を防ぐポイントです。

まとめ

以上が草木染めの植物染料の煮出し方です。

さまざまな植物で異なる色が楽しめるので 色々な試みに挑戦してみてください!

今回はここまで。またお会い出来ると嬉しいです。