草木染め 植物染料 浸染の基本工程 浸染用媒染液の作り方(羊毛用)

みなさんこんにちは!稲村一子です。今回は 草木染め 植物染料 浸染の基本工程 浸染用媒染液の作り方(羊毛用)というテーマでお送りしたいと思います。

・羊毛の場合 室温(水)では媒染剤が吸収されません。90~100℃の高温で媒染しなければなりません。高温での媒染剤の分解を防ぎ 羊毛への吸収を良くするため 助剤を必ず併用します。従来の酸のかわりに アニノールWを使うと 媒染剤の種類や濃度に関係なく 一定の使用量でよく 媒染剤の吸収も良くなります。アニノールWは有機酸を主成分とした助剤です。通常先に媒染してから染色します。

<アルミ媒染>

・羊毛の重さの40倍の湯に 羊毛の重さの8%のアニノールWと2~10%の酢酸アルミを加え 90~100℃で30~60分媒染します。

・アルミ原液「刷毛染・浸染用」を使う場合は10~50%使う以外は 上記と同様にして媒染します。

<銅媒染>

・羊毛の重さの40倍の湯に 羊毛の重さの8%のアニノールWと2~10%の酢酸銅を加え 90~100℃で30~60分媒染します。

・銅原液「刷毛染・浸染用」を使う場合は10~15%使う以外は 上記と同様にして媒染します。

<クロム媒染>

・羊毛の重さの40倍の湯に 羊毛重さの8%のアニノールWと4~20%の酢酸クロム液を加え 90~100℃で30~60分媒染します。

・クロム原液「刷毛染・浸染用」を使う場合は5~10%使う以外は 上記と同様にして媒染します。

<鉄媒染>

従来の紹介されてる処方では しっかりと鉄媒染できません。酢酸第二鉄を主成分とした鉄原液「浸染用」と

アニノールWを使うと鉄媒染され 淡色~極濃色までが簡単にムラなく染められます。

・羊毛のの重さの40倍の湯に 羊毛の重さの8%のアニノールWと5~40%の鉄原液「浸染専用」を加え 90~100℃で30~60分媒染します。

<錫媒染>

・羊毛の重さの2~10%の錫酸ナトリウムと6~30%のクエン酸を それぞれ5倍の水で溶かします。溶けた液を混ぜ合わせると白濁しますので 加熱し しばらく煮沸すると透明に溶解します。溶けた液を 羊毛の重さの40倍の湯に加え 90~100℃で30~60分媒染します。溶かした媒染剤を染料液に加え 同浴で染めることもできます。

・錫原液「浸染専用」を使う場合 羊毛の重さの40倍の湯に 羊毛の重さの8%のアニノールWと10~50%の錫原液「浸染専用」を加え 90~100℃で30~60分媒染します。染料液に錫原液「浸染専用」を加え 同浴で染めることもできます。

<チタン媒染>

・羊毛の重さの40倍の湯に 羊毛の重さの10~50%のチタン原液「浸染専用」を加え 90~100℃で30~60分媒染します。染料液にチタン原液「浸染専用」を加え 同浴で染めることもできます。

「染色前の注意」

植物染料は 地下水中の硬度成分 鉄サビ 布に残っている糊 石鹸カス アルカリ その他の汚れ等で 変色や染めムが起こります。使用する水 道具 材料 布等に注意しなければなりません。

この次のブログで染色前の注意について 詳しく語って行きたいと思います。

今回はここまで。またお会い出来ると嬉しいです。

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